美術収集家の節税対策講座

オペレーティングリース取引の仕訳と会計処理〜貸手・借手〜

2021.01.13


現在、法人の節税商品として利用されることが多いオペレーティングリースは、一時的に発生する大きな利益に対して減価償却費で相殺できるため、節税対策として非常に有効だといわれています。

しかし、オペレーティングリース取引を利用して出資した際の会計処理や仕訳の方法に関して詳しくないという方が多いかと思います。

このページでは、オペレーティングリースの仕組み(スキーム)とそれに適した会計処理、仕訳の方法についてご紹介します。

オペレーティングリース取引の会計処理と仕訳

そもそも、「オペレーティングリース取引」とは、ファイナンスリース取引以外のリース取引全般を指します。

ファイナンスリースとは異なり、オペレーティングリース取引では、通常の賃貸借取引に基づいた会計処理を行います。

なぜなら、オペレーティングリースに関しては所有権が移譲されないためレンタルのような扱いになるからです。

そのため、借手は定期的にリース料を支払い、貸手側は受け取ったリース料を『受取リース料』勘定を利用して収益計上することになります。

一方で、借手は支払ったリース料を『支払リース料』勘定を使って費用処理することになります。(リース取引に関する会計基準 第6・15項参照)

オペレーティングリース取引で行われる仕訳例

A社(貸手)とB社(借手)はリース契約を締結し、業務用大型機械のリースを行っています。(※今回のリース契約とはオペレーティングリースに該当するとします。)

そして、オペレーティングリースのリース料は、毎年1年分のリース料10,000円を3月末日(A社・B社ともに決算日)において現金で支払いをする契約とします。

その場合の、A社とB社のリース契約締結時およびリース料支払時の仕訳はどうなるでしょうか。

下記でそれぞれ確認していきます。

A社(オペレーティングリース貸手)の売上仕訳

オペレーティングリース取引では、基本的に通常の賃貸借取引と同様の会計処理を行うことになります。

そのため、売買取引として売却した際の処理を行うファイナンスリース取引とは会計処理方法が異なるので、リース契約時において仕訳は必要ないのです。

(仕訳-貸手・契約時)

借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

その一方、リース料を受け取った時は受取り額を「受取リース料」として勘定を使って収益計上する必要があるのでご注意ください。

(仕訳-貸手・リース料受取時)

借方 金額 貸方 金額
現金 10,000 受取リース料 10,000

貸手はオペレーティングリース取引に対する資産について、他の資産と同様に資産計上した上で減価償却処理を行うことが必要となります。

B社(オペレーティングリース借手)の支払い仕訳

オペレーティングリース取引では、借手側も通常の賃貸借取引と同様の仕訳で会計処理を行うことになります。

そのため、売買取引と同様の処理を行うファイナンスリース取引とは異なり、リース契約時において仕訳は必要ないことになります。

(仕訳-借手・契約時)

借方 金額 貸方 金額
仕訳なし

その一方で、オペレーティングリースのリース料を支払った際は支払いの金額を『支払リース料』勘定を利用して費用処理する必要があります。

(仕訳-借手・リース料支払時)

借方 金額 貸方 金額
支払リース料 10,000 現金 10,000

また、期末に支払うリース料に対して未経過の期間がある場合や、未払い分の残価がある場合などはさらに繰延や見越し処理が必要となるのでご注意ください。

オペレーティングリース取引の注記

オペレーティングリース取引のうち解約不能のもの(途中解約ができない契約)に係る未経過リース料は、貸借対照表日後1年以内のリース期間に係るものと、貸借対照表日後1年を超えるリース期間に係るものとに区分して注記することが必要です。

しかし、リース期間が1年以内のリース取引やリース契約1件当たりのリース料総額が300万円以下のリース取引(企業の事業内容に照らして重要性の乏しいリース取引に限る)など、リース取引の重要性が乏しい場合には、当該注記を行う必要はありません。

※リース取引に関する会計基準 第22項参照、リース取引に関する会計基準の適用指針 第74・75項参照、財務諸表等規則第8条の6 第2項等参照

仕訳のまとめ

今回はオペレーティングリースの仕組み(スキーム)とそれに適した会計処理、仕訳の方法についてご紹介しました。

オペレーティングリースを活用した節税についてはこちらのページからご確認ください。

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